インペリアルポーセリンは、華やかなロシア文化を築き上げたロマノフ王朝時代の1744年、ロシア皇帝ピョートル大帝の娘、エリザヴェータの命により、皇帝専属磁器工場としてサンクトペテルブルクに設立されたロシア最古の窯となります。開窯当初よりロマノフ家および宮廷で使用される陶磁器を生産を担いました。インペリアルポーセリンは、サンクトペテルブルグの冬宮殿宮をはじめ、そこから約25km程南にあるツァールスコエ・セローに設けられたエカテリーナ宮殿など、すべての宮廷で行われる晩餐会に採用されテーブルや部屋を彩りました。こうしてインペリアルポーセリンは、ロシア帝国の繁栄とともに皇帝専用の窯として発展を遂げます。
1917年、ロシア革命後のソビエト時代は軍需用セラミック製品を手掛けることが多くなりましたが、その間も少数ながら陶磁器は製造され、国力宣伝用として海外の博覧会などで数多く出展、純度の高い素材と芸術性において高い評価を得ました。その後1925年、ロシア科学アカデミーの創立200周年を記念し、エリザヴェータの時代に活躍した偉大な科学者ミハイル・ロモノーソフにちなんで『ロモノーソフ磁器工場』と改名されました。 |