今回、ル・ノーブルでは、チェコの伝統的な技術を継承してきたガラス工房の作家たちと協力し、16世紀末〜17世紀中期の作品を再現しました。
これらはプラハ国立美術工芸博物館に保存されているものを始め、古い美術書資料から抜粋した作品です。この時代は、ボヘミアンガラスがヴェネツィアングラスに代わって隆盛を迎える直前の時期です。正に芸術性の高まりが最高潮を迎える時期のものです。
ガラスの生地色も当時の色を再現し、アンバーを帯びた色(※2)となっており、ボヘミアンガラスの歴史を感じさせる作品となっています。
当時のグラスを再現できる工房は、チェコにも数える程しか残っていません。特にアンバー色のガラスの生地を吹く工房の数は少なく、また形状を再現する技術も熟練の技を必要とする為、工房を探す為に経験あるバイヤーが現地を周りました。
エングレーヴィングの技術もまた、当時の絵柄を再現できるきめ細やかな技術を持った職人がいる工房を探す必要がありました。エングレーヴァー(職人)によって得意な絵柄が違う為、動物や人物は上手だが当時の絵柄の雰囲気は上手く出せない等、様々な問題がありました。エングレーヴァー探しは、実際に目の前でカッティングしているのを見るまでは絶対に決められないものでした。「必ずこの人にカットしてもらって下さい」という約束を取り付けた上で、やっと当時の作品を再現できる目処がたったのです。
このように一つの工房だけでは再現できない為、いくつかの工房を実際に訪ね、話し合いをし、技術を確認し、何度もサンプルを修正した上で生み出されました。
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